僕には、今でも鮮明に記憶に残る、
忘れられない思い出があります。
こどもの時、お盆やお正月に、
母の実家によく泊まりに行きました。
いつも、3~4家族の親戚が集まり、
半年に1回、久しぶりに会えることに、
とってもワクワクした覚えがあります。
こどもたちの年齢も幅広くて、
一番年上は、僕よりも一回り上のお兄ちゃんで、
こども同士で、野球をしたり、肝試しをしたり、
ボーリングをしたりして遊んでいました。
親も大人同士で話をしたりと、
それぞれが自分の時間を過ごしていました。
ご飯の時間になると、
20人位みんなで一つのテーブルを囲み、
こんな大人数でご飯を食べることは普段はないので、
とても不思議で、心がポカポカする時間でした。
これだけの人数分のご飯を作るのは、
さぞかし大変だったと思いますが、
おばあちゃんが中心になって作ってくれて、
僕は、おばあちゃんがいつも作ってくれた、
寒天ゼリーが大好きでした!
ご飯が終わると、トランプやゲーム大会。
こどもも大人も一緒になって、
お腹が痛くなるほど笑ったり、
感情あらわに悔しがったりしていました!
みんなでご飯を食べたり遊んだりした
この時の楽しかった思い出は、
今でも心に深く残っています。
もう一つ、心に残っている光景があります。
僕の母はガンで亡くなっているのですが、
父が段ボール工場の経営をしていましたので、
父の工場のサポートと、子育ての両方をしていました。
母はいつも活動的で、てきぱきしていて、
ユーモアと決断力があり、弱音をはかない人でした。
普段は、早起きして、
朝ご飯やお弁当を作ってくれたのですが、
母の実家に泊まると、
9時になっても10時になっても、
起きてこないのです・・
心配になったある日、
『どうしたの?』
と声をかけても返事がありません。
おばあちゃんに、
『全然起きないんだけど、
どこか具合でも悪いのかな・・』
と聞いたら、
おばあちゃんは、優しく諭すように、言いました。
『今日はゆっくり寝かせてあげてね』
母は昼頃にようやく起きて、何もしないで、
ただただ、ボ~とした表情をしていました。
この姿を初めて見た時は、正直ショックでした。
でも、なんとなく感じるものがありました。
普段は気丈にふるまっているけれど、
本当はこんなに疲れているんだなと。
母にとって、自分が生まれた家で、
自分のお母さんがいるこの場こそ、
気を許せて、心から休める場所なんだなと。
母にとってこのような場所があって、
本当によかった、と思ったのです。
こどもの時の楽しかった思い出や母の姿がずっと心の中に残り、
子育て家族向けの宿を作りたいと思った根底になっています。
現代は、核家族化し、仕事に家事に忙しく、
気持ちにゆとりを持つのが難しい時代になっています。
子育てや家事など誰にも頼れず、一人悩みながら、
頑張っている人が多いのではないでしょうか。
ヒマ杉の家では、子育て家族向けに、
僕がこどもの時に過ごした体験を基に、
「懐かしくて新しい家族のカタチ」
をご提案していけたらと思っています♪